最初から和尚はない。
ふき掃除から洗濯まで、
小僧の苦労を重ねてこそ大和尚になれる。

  安藤 楢六(小田急電鉄初代社長)


まぁ近道はないってことですね。
あったら楽ですけど(笑)


だからみんな悩んで、毎日の臨床の中で
何かを発見しながら成長しないといけないですね。


ということで
今回は

先日フラぷらで発表した
痛みと運動制御

の臨床応用についてです。


発表後、何名かの先生から

実際の臨床ではどう患者さんの訴える痛みを
機能面と認知・心理面と区別しているんですか?

という質問を頂きましたので
自分なりの考えを書こうと思います。


といってもですね…

発表でゆうた通り、
痛みは複雑なので、きれいに区別できる訳ではありません。

自分は結局の所、痛みが脳の意識で生まれている限りは、
認知ー中枢神経系の関与が必ずあると思っています。



リハビリに来ている患者さんは
ベースとして
何らかの運動障害を抱えていらっしゃいます。


多くの場合は
何かしらのきっかけがあるはずです。


痛みを認知・心理面の問題だ!
と言いきることは非常に難しいです。

機能的には問題がない!ということを
証明しないといけないですから。



ものすご~く大雑把に書きますが
機能解剖学的に問題があれば

痛みの再現性

があるはずです。


運動方向であれ、荷重なり筋収縮なり伸張なりの…。

筋のスパズムによる虚血が原因で
痛みを出している場合なんかは
リラクゼーションが効果をそうする場合も
あると思います。


でも
なんで筋のスパズムが出現するのか?

を考えると


もしかすると
その患者さん自身が

患肢を動かす=痛い

なんてゆう先入観、既成概念ができていることもあるかと思います。


そうゆう方では
痛みの出ない範囲や強さで動かしてもらい、

患肢を動かしても痛くない

ということを実感してもらうとスパズムが
出現しなくなる方もいます。

だから結局の所
機能解剖学的な痛みであっても
その基盤に
予測や先入観などの
認知的な背景が影響していることも
あるんじゃないかと思ってます。


では痛みは機能解剖学なものかを
見極める際に

再現性

の有無を基準にみますが、


一方の認知・心理面の痛みが
影響しているか、を評価する際、
自分が行うのは


話したりするだけでも痛みは変化するのか?

といった視点でみます。


もちろん、世間話じゃないですよ。
痛みに対して患者さんがどう捉えているのか?
皮膚刺激などまで痛みに感じているのか?

例えば、
頚部骨折の術後、
患肢の大腿全体の
痺れ・痛みが良く分からないような感じを訴える患者さんが
時折います。

少し動かそうにも痛みのようなジンジンした痺れが出て
脚を動かせない…
と言われたりします。


そんな場合、
まずは感覚刺激を識別してもらったりします。

健側の太ももを掴んで
お肉のへこむ感じ、を感じてもらいます。

そこで「反対の脚(患肢)もこんな風にへこませますね」

と言って、

同様のことを患側に行います。


患者さんがジンジンする、という訴えがみられた場合、
「さっきのお肉のへこむ感じはあります?」
と聞きながら
こちらは
つかむ圧力だとか、場所を変えながら
患者さんが分かりやすい部位・強さを探り

へこむ感じを感じてもらうようにします。

へこむのを感じられてる時に
「痛いのってさっきと比べてどうですか?」

と聞くと
意外に減っていたりします。
ゼロにいきなりはならないかもしれませんが。


このような場合、自分の考察としては
患者さんは大腿部の腫脹や筋のスパズムなどが混在しており、
感覚を識別することができず、
どんな刺激でも不快刺激に感じる結果
痛み・痺れのような症状を訴えている可能性があります。

論文などでも
予測した感覚と実際の感覚にズレがあると
痛みや不快感覚が生まれる、という報告があります。

そしてその刺激が常にあると
患者さん自身のボディイメージとしても
何をしてもジンジンする脚、として

ジンジンした感覚を予測してしまっている
可能性もあるかもしれません。

そこで
健側でまずは注意を向けるべき刺激(肉がへこむ感じ)を
確認しておいて
(受傷以前の感覚の予測を作る)

不快刺激の中から識別していくことで
徐々に予測とのズレがなくなることで
軽減する方もいます。

そして
痛みの聞き方も大事だと自分は思います。


痛いですか?と聞けば
さっきよりも減っていたとしても
痛みがゼロでなければ

「痛いです」

と言うはずです。

また痛みへの不安が強い方には
痛いですか?と聞く、ということは
痛いことをするの?
なんて不安を助長するかもしれないですよね。

だから「さっきと比べてどうですか?」
と聞いたりします。

比較してもらうんですね。


それで上手くいけば、
理由を患者さんに伝えます。

「術後でこれだけパンパンに腫れてますしジンジンしますよね」
「多分いつもジンジンしてるから、触ったり動かしたりすると何でもジンジン感じちゃうんですよ」
「どうしても、痛みって人間嫌いなので痛みにばっかり気が向いちゃいますけど
 反対の脚みたいにお肉がへこむ感じに気を向けると痛いの減りますよ」
なんてゆうて、

「じゃあ今度は自分でまずは反対の脚をつかんで確認したら
 こっち(患肢)のお肉のへこむ感じを気にしてみて下さい」

と自分で痛みが減るのを確認し、
そして実践してもらうようにしてもらいます。

自分で痛みを減らせることが大事です。
自分でできれば、リハの時間意外でも
セルフケアができるので。


ヘルニアの痺れもこの方法で軽減する人も何人か経験しているので
やはり痛みや痺れは脳が作っているんだろうな、

なんて思っています。



痛みを訴える患者さんに対して
機能解剖学的、認知的な面

どちらからアプローチしてもいいと思います。

僕は患者さんが楽になる方を選んでいます。



でもちゃんと理由を説明することは必ずします。


理由が分かれば
患者さんは自分で痛みが出ないように気をつけることができるし、
自分で制御できる、ということが
本来は必要ない、痛みの過剰な予測を
防ぐことにもつながると思っています。

そして自分で痛みが出た時に
どうすれば減らせるか、を知り、実践できるように
リハの時間で行います。いわゆる保険ですね。


その保険があれば
患者さんは病棟でも自分で動き、
痛みが出たらどうすればいいか、が分かります。


そうすればベッドに寝ることも減るかもしれませんから★


という感じでものすごく大雑把に書いてしまいましたが
何かしら伝わったでしょうか?

また分かりにくい、こんな場合は?
なんてことがありましたら
いつでもご意見・ご質問下さい!!