人と比較をして劣っているといっても、
決して恥ずることではない。
けれども、去年の自分と今年の自分とを比較して、
もしも今年が劣っているとしたら、
それこそ恥ずべきことである。

      松下幸之助



勉強会の振込ありがとうございます。
まだの方も早めにお願い致します。
あまりに遅い方はキャンセルにさせて頂くこともありますので…


ということで
前回に引き続き歩行について思ったことを書きます。


歩行の前にしっかりと立位を取ることが大事だ!!!

と言いました………が

立位が不十分なままでも
歩行訓練を行う患者さんもいます。


それは

歩行をした方が
患者さんにとってメリットがある、

という場合です。


例えば左肩麻痺で左身体への注意が途切れやすい方。

麻痺はあるけど意識すれば
立位で支持することも可能。

ただ立位を保持しているだけだったり、
非麻痺側の上肢で何か課題を同時に行うと
途端に左下肢の緊張が抜け、
右下肢だけでの立位保持となってしまう方。

意識していれば左下肢を参加できるけども、
安定してしまえば、
意識を向ける必要がなくなってしまったり、
病前の感じで立っている感じになってしまうと、
病前のように無意識での立位保持になる。
でもそうすると左下肢は無意識では支持する活動が起こらず、
脱力してしまったり、足底が浮きそうになっても気づかなかったりする方もいます。

また上肢課題のような二重課題により左下肢への注意の配分が薄れれば
下肢の緊張も緩んでしまう方。


そのような方には
歩行訓練を行った方が
右→左→右→左…と交互に注意を向けることができやすく、
左右の下肢の支持感も毎回の歩行周期ごとに
比較・修正しながら行うこともできますよね。

静的な方が左下肢の持続的な参加が難しい方には
逆に左右の参加が求められるような課題の方が
功を奏する場合もあります。

もちろん、これはその場だけでの反応になりやすく、
同時に注意の配分や配分を減らしても
左下肢の支持ができるような課題も必要です。

そうしないと歩行訓練だけが上手になるだけで
家事動作や退院後のスーパーでの歩行など
注意の配分が必要な場面で困ることにもなります。


でもそればかりでは
歩行耐久性もつかないし、
全身の廃用を作ることにもなります。

さらに
患者さん自身が歩行に対する自分の問題点に気付くきっかけにもなります。

話しながら歩くだけでも力が抜けるな…みたいな感じですね。


問題点はセラピストが知っているだけでは意味がありません。

その問題に患者さん自身が気づいてないこともあるので、
やはり実際のADLを通して

思ったよりできるな、という達成感や
できると思っていたけど…難しいな。

なんて実感が必要です。


より多くの経験をして失敗、成功をしているからこそ、
退院後の生活にも自信を持ち、
また自分の苦手なことは気をつけることができるのではないでしょうか?

他にも歩行を積極的に進める例はありますが
週末の講義資料がまだできていないため
今日はこのへんで。

お読み頂いた方、
ありがとうございました★