はじめから完成品を求めるからできない

               所ジョージ

今日はお休みで朝のテレビで所ジョージさんの事務所兼遊び場、
世田谷ベースで、所さんの生き方ついて話をしてました。

そこではじめのお言葉がありました。

誰でも歌は作れるんです。

そこら辺の言葉を並べて、少しずつメロディーにしていけばできるんです。

でも、できないってゆう人は
言葉を並べただけでメロディーにはもちろんならないから

そこでできないってゆう風に決めつけちゃう。
だからできないままなんです。


まずはやってみて、
そこから少しずつメロディーをつけてみたりしているうちに歌になるんです。

だからやっていかないと、何でもできるようにはならないんです。


というようなニュアンスで話していました。


これは若いセラピスト、そして患者さんに当てはまります。



何かのセミナーに出たり、本を読んで勉強をする。

臨床でやってみる

上手くいかない

やめる・やる気がなくなる………終了。



ある意味、勉強しているだけましかもしれません。



でもこのような流れの人は多い気がします。

「勉強してるんですけど、臨床でなかなか上手くいかないんです」

「◯◯理論って使えますか?」

的な質問をたまに聞きます。



自分はこう考えます。


勉強していることや、様々な理論を
患者さんに活かせるようにアレンジするのが
セラピストの役割ではないでしょうか?



少し、言い間違えました。

患者さんの望みを叶えられるような
介入や提案ができるようになるために
勉強や様々な理論を学び、アレンジするのが
セラピストの役割ではないでしょうか?



勉強しているけど、上手くいかない

その場合には、
勉強をして知識が増えることそのものが目的となってしまっていることも多いのではないでしょうか?

知識が増えることを良しとして、
その知識をそのまま患者さんに押し付けても
上手くいかないことが多いです。

また押し付けで上手くいってしまうと
そのスタイルで良いんだ!!と
勝手な思い込みを助長してしまう危険もあります。


勉強をしていると自負している人は
自分の知識に自信を持ってしまいやすいのかもしれません。

10人のうち、
2人でも上手くいけば、
その成功体験だけが
記憶に残ってしまいやすい印象です。


以前、勉強会でも話しましたが

それはドラクエで言う

会心の一撃

でしかありません。


たまたま上手くいっただけかもしれません。


それは上手くいかなかった10人中8人の患者さんが証明しているはずです。


人は自分の都合の良い、気持ちいいことばかりに目が向きやすく、
都合の悪いことは無視しやすい生き物です
(2014.小松)


会心の一撃は実力ではありません。

たまたまです。

しっかりと自分のレベルを上げるように
精進していきたいですね。


やはり知識・技術はその形や基本を学ぶことはもちろん大切ですが、

目の前の患者・利用者さんの反応を大切にしながら

同じアプローチをしても、Aさんはこうゆう反応が出る、Bさんにはこうゆう反応が出る、
といった新しい解釈を増やし、
自分なりのアレンジをたくさん持てるように努力することが大切だと思います。




では次は患者さんのことについて。

患者さんも早く良くなりたい、病気や怪我の前のような身体になりたいという思いを持っています。

元々、何も持たずに歩き、趣味や仕事をバリバリしていた方は

歩ける、ということを

杖を持って、装具をつけて自立すること

をゴールに、歩く練習をしている訳ではないと思います。


道具を使ってでも自立すれば良い、というのは
セラピスト側の都合でしかないかもしれません。


日常動作でも歩行でも、立位でも
患者さんは100点(病前の状態)になりたいと望んでいるはずです。


でもすぐに100点にはなれませんし、
脳卒中や進行性疾患など完全回復が難しいとされている疾患では
100点になることが実際難しいと思われる方もいます。


ではセラピストはそのような方たちに
100点になることを諦めさせ、
無理矢理杖と装具をつけて立ち、歩かせる仕事なんでしょうか?


僕は違うと思います。


100点を目指す人に対して、
どうしたらそれを少しずつでも目指せるのか?

そのためには
どんなステップを踏んでいくのか?

を提案でき、それを患者さんとともに
向かっていくことがセラピストのできることだと思います。

いきなり100点を目指そうとすれば
現状20点だとする人には
課題が高すぎるかもしれません。


テストの成績が悪かった人なら分かりますよね?
(ちなみに小松は高校時代、学年でワースト10の常連でした)


20点をどうしたら25点にできるのか?

今日の25点をどうしたら明日まで25点、あるいは23点くらいまで維持できるのか
(学習やcarry over)

を考え、実践していくことが大切だと思います。

また同様のことを小松は患者さんにも伝えています。


「いきなり100点にはできません、でも先週20点だったのが、今週は30点くらいに良くなってますよね(もちろん点数は患者さんに決めてもらう)」

「今日のリハビリで33点になったとしたら、明日にも33点を取れるように覚えていてもらうには、僕だけの力じゃできません。◯◯さん(患者さん)の協力が必要です。」

「そのためのコツはお伝えします。でも◯◯さんの身体に命令して動かせるのは◯◯さんしかできません」

「僕とのリハビリは1日で長くても1時間しかありません」

「残りの23時間、何もしないと忘れちゃうかもしれません。身体の動きやすい所で動く方が楽なので。」

「逆にそのリハビリの時間以外を有効に使えれば、今の33点がもしかすると35点にできるかもしれません」

「退院すると、リハビリを受けられる時間や回数は絶対に少なくなります。でも自分でできるようになれば1日中、自分でリハビリができます」

といったようなことをどの患者さんにも自分は伝えます。

もちろん、年齢や理解の能力、ご本人の性格などに合わせて
言い回しは変えます。


いきなり、80点アップを目指そうとすれば、
セラピストも患者さんもその困難さに挫折してしまうかもしれません。

でも5点アップを積み重ねていくことならできるかもしれません。

毎日、良くなる実感を味わえるかもしれません。

またそのために、
セラピストは5点がどう良くなっているのかを
患者さんにも実感できるように
提示していく必要があります。

そのためには
患者さんが何で20点をつけているのか?
何が80点マイナスにしているのか、という問題を突き止めないといけませんし、
その問題に対して、どのように点数アップを図っていくのかという
介入の手段を持っていないといけません。


その手段を増やすには……?

もう分かりますよね。

セミナーに出たり、本を読み、知識を増やすこと。

これももちろん大切です。

自分の知らないことは
臨床で見れませんし、考えられませんので
この知識という情報を沢山持っていることも重要です。

でもそれで上手くいかない人は

その情報を有効活用できるように
しないといけません。


そのためには、
試行錯誤、実践あるのみだと思います。


自分の目と手で、その知識が分かるようにならないと結局はダメなんだと思います。

自分の勉強会では
いつも、そんなことを考えられるセラピストが増えるといいな★
と思ってやっています★