本日3つ目の記事です。


では人気の股関節の新シリーズ

使える股関節にするために

です!!

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2.使える股関節にするために
 

臨床では患者の姿勢や歩行パターンを鏡を見ながら修正する場面を時折見ます。

また言語を用いて「お尻を前に」「膝を伸ばして」といった介入をすることもあると思います。
それらは視覚的・言語的な手がかりにより姿勢・動作 パターンを修正していくのが目的だと思いますが、上手くいかない患者も多く存在するのではないでしょうか?

ではなぜ上手くいかないのか、その理由を4回シリーズで考えていきます。 



2-1 運動と視覚・言語の関係性

2-2 OKCとCKCでは入力情報が異なる

2-3 OAと骨折患者の違い

2-4 患者心理は運動パターンを変化させる


では本日は1つ目「運動と視覚・言語の関係性」です!!


2-1 運動と視覚・言語の関係性
 

近年では運動器疾患でも知覚やボディイメージの障害 (neglect like syndromeや身体表現性障害など)が起こり、脳の情報処理が健常人とは異なることが科学的に示されるようになってきています。また脳科学的な視点からも視覚ー体性感覚の統合によって作られる上肢機能に対して、肢は体性感覚で主に運動が構築されています。


しかしながら臨床では神経損傷のない患者でも足元を見ながら歩いたりと視覚情報を頼りにする場面を見ます。この背景には何が起こっているのでしょうか?

 

本来、視覚情報は姿勢や動作の「結果」を知るためには役立ちます。体性感覚はその結果を導くための過程に重要です。しかし体性感覚は目に見えず、普段の生活の中では意識されることはあまりありません。生後、言語が獲得される物心がつく以前から運動を繰り返し、試行錯誤の中で運動と体性感覚のやり取りの中で思い通りに動ける身体を構築していきます。言語の獲得も歩行の獲得の後に起こってきます。つまり自己の身体、運動に対応した言語は後づけでしかなく、「歩いている」という言語化はできても、歩いているその瞬間瞬間に身体で起こっていること全てをを言語的に説明することは不可能です。


身体運動は常に変化しており、その都度意識に上げ知覚することはできません。
知覚(意識)できること は、ほんの一部の身体経験です。



そのため健常人は何か行為をしている時には、体性感覚を意識することはまずありません。感覚は歩いていてつまづいた時など、エラーが生じた時に初めて「もう少しつま先をあげないと...」と体性感覚は意識に上がることになります。


健常人にとって行為は動かすという出力と実際に動いている感覚の入力はほぼ一致しているか、意識下にて誤差修正され大きな問題(エラー)がなく行為を遂行しているため意識されることはまずありません。

これが何らかの障害によって破綻し、出力または入力情報にエラーが生じることで意識される(知覚)経験もこれまで経験したことのないものとなります。さらにエラーの起こった入力情報を基に運動や行為を生み出すために結果として目に見える運動に異常が生じることになります。

 

入出力にエラーが起こる。これは多くの患者にとって初めての経験です。患者は自分の身体が思うように動 き、感じることすら意識せずに生活を過ごすことができていました。それが疾患や怪我により急に思うように動かなくなります。


どうやって身体を動かしていたかを患者は知りませんし、考えたこともないと思います。


その身体が思うように動かなくなった時、患者は上手く動かないことは経験しても、何が原因か本人ですら分かりません。



そのために何とか力の入る部分に力を入れ努力的に動作を遂行しようとします。または下肢の荷重であれ ば足底からの入力情報を強めようと体幹を患側へと傾け無理に(上半身の)荷重をかけようとします。しかし無理に荷重をかけたとしても、その荷重量に伴った下肢の筋収縮(出力)が上手く発揮できなければ骨盤の崩れや膝折れ、膝の伸展ロックが出現することになります。

 

視覚や言語的な手がかりで上手く動けない患者は、今の自分の身体を上手く感じ取れない、自分の身体に何が起こっているのかすら分かっていないことは多いと感じます。

リハビリでは出力ー入力の関係性の再獲得が必要です!!!




Point

視覚や言語的な手がかりで上手く動けない患者は、今の自分の身体を上手く感じ取れないという問題を抱えている。 




次回は、
OKCとCKCでは入力情報が異なる」をお送りします!



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★今後のBridgeセミナーのお知らせです


【セミナー①:1/10、2/7愛知】
脳卒中の運動麻痺に対する介入 実践編

まだ、参加枠は空いております。

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1/10、2/7脳卒中デモセミナー:お申し込みフォーム



パート① 

1/10(日)
 上肢の評価と介入

10:00〜15:30(受付9:30〜)

「脳卒中後の上肢共同運動パターンの評価と介入の実際」

会場:刈谷市産業振興センター 504会議室

予定:(脳卒中当事者の方は午前中のみです)
10:00−10:15 小松より脳卒中当事者の方のご紹介
10:15−11:15 参加者による評価と介入
11:30−12:30 小松の評価・介入デモと希望者との共同実技

13:30−14:00 参加者からの質疑応答
14:10−15:30 質疑応答に即したデモ実技



パート② 

2/7(日)
   下肢の評価と介入

10:00〜15:30(受付9:30〜)

「脳卒中後の下肢の立位と歩行の評価と介入の実際」

会場:刈谷市産業振興センター 505会議室

予定:(脳卒中当事者の方は午前中のみです)
10:00−10:15 小松より脳卒中当事者の方のご紹介
10:15−11:15 参加者による評価と介入
11:30−12:30 小松の評価・介入デモと希望者との共同実技

13:30−14:00 参加者からの質疑応答
14:10−15:30 質疑応答に即したデモ実技

お申し込みはこちら
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1/10、2/7脳卒中デモセミナー:お申し込みフォーム



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【セミナー②:1/24、2/21、4/10愛知】

Link 第2期 

残りあと1名です!!!
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●テーマ:

「立位の評価と介入」
 
●内容:

各10:00-15:00(受付・準備9:30~)

1/24(日)
立位の評価のために

 会場:刈谷市産業振興センター 504会議室

2/21(日)
立位の介入のために
・立位の獲得のために必要な知識の整理
・立位の獲得のためのハンドリング

 会場:刈谷市産業振興センター 505会議室


4/10(日)
・歩行の獲得のための立位でのアプローチ

 会場:刈谷市産業振興センター 505会議室

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【セミナー③:1/16(土)三重県】

「中山尚夫医師による食と健康の勉強会」

(お申し込み方法)
・氏名
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・職種
・所属
・経験年数
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以上を記載し、bridgefjstar@yahoo.co.jpに直接メールでお送りください。

【中山尚夫先生 食と健康の勉強会】

会場:ハイブリッド治療院EVA
   三重県桑名市江場718-1

開催日時:2016年1月16日(土)14:00から

参加費:無料

※駐車場がございますので車で来ていただいても大丈夫です。

応募人数:先着5名程度


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